キャットウォークの両端に、眺めのいい窓を持つ猫ロフトがある。人は行けない。だから床に直径50cmの穴を開けて、そこから掃除する。
もうひとつ、階段の踊り場の上2.4mくらいに「猫台」がある。2階の床から見ると、ちょうど人の目の高さ。くつろぐ猫が、いい高さで見える。
「猫ロフト」という名前も、その考え方も、この家から始まった。高い場所にある程度の広さをとり、猫用の窓を設ける。その後、この手法はさまざまに展開して、猫の家を考える5つのエレメントの中のdistrictに育っていった。
人が行けない場所を、掃除できるようにする

■キャットウォークの終着点となる東側猫ロフト。見晴らしがよくて陽当たりもいいので、ごろごろ寝ています。こっそり覗きに行くと、びっくりするほどリラックスした状態の猫を見ることができます。
■The east cat loft, the terminal point of the catwalk. With a great view and plenty of sunlight, cats lounge about lazily here. If you sneak a peek, you can see them in a surprisingly relaxed state.



■猫ロフトは床掃除ができるようにメンテナンス穴が開いています。猫台や床の上でも猫達は遊んでいます。
■The cat loft has a maintenance hole for cleaning the floor. Cats also play on the cat platforms and the floor.

■「あれ?今日は[まりこ]が居ないなぁ。。。」と思っていたら、こんな高い所からこっちを見ていました。東側の猫ロフトからです。さっき[れん君]に連れられて上ってきた人間用階段の真上にあります。
■"Hmm, where's Mariko today…?" Just as we were wondering, there she was, looking down at us from way up high — from the east cat loft. It is directly above the staircase for people that Ren had just led us up.


■西側猫ロフトの両サイドには出入り口があります。向かって左側が、2階の洋室にある屋根裏部屋からの出入り口。右側は1階からのキャットツリーへ続きます。そこから下を覗くとこんな感じ。[れん君]が登ってきました。
■The west cat loft has entrances on both sides. The left side leads to the attic in the second-floor Western-style room; the right side connects to the cat tree from the first floor. Peering down from there looks like this. Ren has climbed up.

■東側猫ロフトの床には、床掃除をするために直径50cmの穴が開いています。[ちなつちゃん]が穴を避けてキャットウォークに行こうとしている横で[まる君]がずっと爆睡しています。ちなみに[ちなつちゃん]は男子です。
■The floor of the east cat loft has a 50 cm-diameter hole for floor cleaning. Beside Chinatsu, who is navigating around the hole to head for the catwalk, Maru is sound asleep. By the way, Chinatsu is male.

■「The Cats’ Houseツアー」の締めくくりとして、人には行けない猫ロフトにちょっとおじゃまして、床に開けられた穴から猫になった気分で下を覗いてみましょう。ついさっきの写真で[まりこ]が私たちを見ていたように。。。
■As the finale of The Cats’ House Tour, let's sneak into the cat loft — a place no human can reach — and peer down through the hole in the floor, just as a cat would. Just as Mariko was looking down at us in the photo a moment ago…
ディテール — 階段室は未活用スペースの宝庫
ここから下は『ペットと暮らす住まいのデザイン 増補改訂版』(丸善出版、2021年)に収めた、この家の詳細図と解説です。図面を公開している理由はキャットウォークのページに書いています。
けこみ板をなくすと、階段に毛がたまらない
階段室は未活用スペースの宝庫である。猫のための家をつくるならば、ぜひとも積極的にいろいろな要素を盛り込みたい部分だ。
人間用の階段そのものも、けこみ板をなくしてストリップ階段にしてやれば、猫はふつうなら階段の裏側になって見えない室内の風景を踏み板に寝そべりながら楽しむことができる。また、けこみ板をなくすことで、階段の一段一段に毛がたまることがなくなるというメリットもある。
階段下はもちろんのこと、折り返しの踊り場上部には、十分に使えるスペースがあまっている。ここで紹介する例は「猫台」と名づけた、踊り場から測って2.4m程度の位置に猫が外を眺めるための台を設けたものである。2階の天井よりは低く、2階の床レベルから見れば、おおよそ人の目の高さになるので、猫がくつろいでいる姿を飼い主は自然に見ることができる。この場所に至るための猫専用の階段は、階段の構造上必要になる手すり壁を利用してつくっている。手すり壁は人の階段の昇降には何も関係がないので、デザインの自由度が高い。のぞき穴をあけたりすると、普通の階段も猫にとって楽しい場に変わる。
ディテールのポイント
- 猫台の上に乗るのが2〜3匹の猫だけなら、30mm厚の板材を両端で支えれば十分耐えられる。ここで紹介している事例では、メンテナンスの足場として人が上に乗るため、構造材を組み、強度を確保している。
- 手すり壁の笠木を段状にして猫階段をつくるときには、壁の仕上げ面を傷つきにくくするために、笠木のチリを通常よりも大きく取るようにする。チリが少ないと猫の爪が仕上げ面に届いてしまうので塗装が剥げる。
図面

図・文:廣瀬慶二『ペットと暮らす住まいのデザイン 増補改訂版』丸善出版、2021年
第3章「ペットと暮らす住まいのディテール」より「猫のための階段室利用」
図から読める寸法
- 猫台の高さ:2FLから1,550mm(踊り場からは2,350mm)
- 猫台の材:パイン集成材 t=30、幅450mm
- 猫ロフト1の床の掃除穴:φ500
- 手すり壁の猫階段:踏面200mm/蹴上げ285mm、笠木のチリ15mm
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