壁から板が突き出しているだけの小さな階段。「猫ステップ」と呼んでいる。キャットウォークに登る道は、キャットツリーのほかにこれと、階段の手すり壁を使った猫階段がある。少し離れた場所には人間用の階段もあり、そちらからもアクセスできる。
猫用だから小さくていい。むしろ限界まで小さくしないと人間の邪魔になる。だから寸法の見極めが、猫ステップのすべてになる。
壁を登る、手すりを登る



■キャットウォークへは、壁面から突き出た猫ステップ、階段手すりを利用した猫階段を使っても登れます。その途中には外を眺めるための猫台や隣室へつながる猫穴などもあります。
■The catwalk can also be reached via cat steps protruding from the walls or a cat staircase using the stair railing. Along the way, there are also cat platforms for looking outside and cat holes leading to the adjacent room.




■壁の向こうに側にある隣の部屋(GreenRoom)に出入りできる「猫穴」は何故か人気の場所なので、猫ステップはこんなふうに時々渋滞します。渋滞といっても、猫どうしがぶつかることはない。猫ステップに寝ていた猫は、近づいてきた猫に道をゆずるために、背面の猫穴へ半身を入れて後退する。必要最小限のスペースだけを空けて、すれ違ってもらう。猫専用の動線計画が適切にできていれば、こういう光景が見られる。屋内で育った猫は、この動きを比較的たやすく覚える。
■The "cat hole" leading to the adjacent room (GreenRoom) on the other side of the wall is a popular spot for some reason, so the cat steps get congested like this sometimes. Congested — but the cats never collide. A cat resting on a step gives way to one coming toward it by backing half its body into the cat hole behind, leaving just enough room for the other to pass. This is what you see when the cats' own circulation has been planned properly; cats raised indoors learn the movement fairly easily.


■[れん君]の後を追いかけて階段を上ると、そこはPlayRoomです。[れん君]がやってきたのを見て、[かい君]が手すり壁の猫階段を登って行きました。
■Following Ren up the stairs leads us to the PlayRoom. Seeing Ren arrive, Kai began climbing up the cat staircase on the railing wall.
ディテール — 幅の限界は150mm、推薦は200mm以上
ここから下は『ペットと暮らす住まいのデザイン 増補改訂版』(丸善出版、2021年)に収めた詳細図と解説です。図面を公開している理由はキャットウォークのページに書いています。
小さくしないと、人間の邪魔になる
ここでは猫専用の小階段のディテールを紹介する。あくまで猫用なのでサイズは小さくていい。むしろ限界まで小さくしておかないと人間にとって邪魔になるので最小寸法の見極めが大切である。もっとも多用しているのはキャンティレバー形式のもので、「猫ステップ」とよんでいる。
猫ステップは、猫の体が壁に触れながらの上下運動になるので、幅をキャットウォークなどよりも広くしておく必要がある。幅の限界は150mmだが、この場合太った猫は使うことができない。よって推薦寸法は200mm以上である。踏み面の推薦寸法は300mmだがスペースが足りない場合は200mmでも問題ないだろう。蹴上げは500mmでも大丈夫だが、猫も老いて運動能力が低下するので200〜280mmぐらいが無難な選択といえる。
ディテールのポイント
- 猫ステップや猫階段は用途によって勾配を適正化する必要がある。遊びのための猫階段なら、わざと勾配を大きくして猫が跳躍する姿を見たいし、生きていくために必要な動線になる部分では勾配を38度程度にする。
- 猫階段は幅が狭く手すりもないので、目視では寸法がわかりづらいが、勾配は、人間用の階段とほぼ同じである。
図面
この家の猫ステップ


図・文:廣瀬慶二『ペットと暮らす住まいのデザイン 増補改訂版』丸善出版、2021年
第3章「ペットと暮らす住まいのディテール」より「猫専用の小階段」
図から読める寸法
猫ステップ(キャンティレバー式)
- 幅:限界150mm/推薦200mm以上(150mmだと太った猫が使えない)
- 踏面:推薦300mm、狭ければ200mmでも可
- 蹴上げ:200〜280mmが無難(500mmでも登れるが、猫も老いる)
- 材:パイン集成材 t=25
- 先端の角は面取りR25、角は全て糸面取り
猫階段(手すり壁の笠木)
- 段:踏面200mm/蹴上げ285mm
- 笠木のチリ15mm
勾配
- 遊びのための猫階段 → わざと急に
- 日常動線の猫階段 → 38°程度